ランチは誰と食べますか?気分転換はもちろん、職場フォローのチャンスだったりします④
前回までのおさらい。
マズローの法則によれば、人間の欲求にはピラミッド状の序列に5段階があります。そして、下層の欲求が満たされるごとに、1つ上の欲求をもち、求めていくというものです。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。(絵だけ見て戻ってきても大丈夫です)
その中で最下層はなんですか?そうです「生理的欲求」です。食事とか生きていくための最低限の欲求が満たされないと、そもそも気力なんかわかないわ!っていうことですね。
先にあげた仲間ができて「社会的欲求」
働くうちに出世だったり、自分のスキルを認めてほしいという「承認欲求」なども出てきます。
リンクの絵の通り進んでいくんです。マズローさん、まとめてくれてありがとう!とばかりに補助輪代わりにいつも使わせていただいてます。
今の流れであれば、一緒に働くのであれば、その場にいるだけの人よりは、
おなかが満たされ「生理的欲求」が満たされるときに、
「安全の欲求」を満たせるように居合わせて獲得してしまえばいいのです。
声をかけるきっかけになるし、相手の意見を聞けば一緒になんのご飯を食べるか話すのも楽しい。
一緒に行かないとなれば、そういうスタンスを邪魔しないよというアピールもできる。
ここまで戦略がわかったところで、具体的な例2つ目をあげましょう。(ケース1はこちら)
【ケース2】
後輩看護師のAちゃんは、挨拶ができない、指示受けができない、静脈注射も外すのが通常、患者さん誘導もうまくできない、試用期間をどうするか悩む子でした。
前の職場も短く辞めてしまったから、うちでも辞めたら次は就職できないでしょう。
この子はどうしたもんか?と悩んでいました。
ある日のランチ中にAちゃんはジムが趣味だと話してくれました。特に走ることが楽しいんだと語っていました。
この子、挨拶も指示受けも誘導もできてないけど、
- コミュニケーションができないわけじゃないな。好きな理由なら順序だって話ができる。社会生活的に頭が悪い子じゃない
- もしかして、違うアンテナを立てて緊張し過ぎているのかもしれない
- だから、仕事の話が入ってこない可能性はある
- リラックスできる環境なら、楽しく思えれば、頭のアンテナを再設置できるんじゃないかな
と思いつきました。
その日から、Aちゃんに対してものすごくハードルを下げました。
トレイを持ってきてくれたら「ありがとう、気が効くね」と褒める。
報告してくれたら「助かった、それならこうしようか。手伝ってくれるかな?」と、判断と共に協力を求める。
理由はかんたん。徹底して、あなたがいてくれて助かっていると、教え込みたいから。
そこからAちゃんは急成長してくれました。
先回りして動くし、準備をするようになりました。私が喜んでくれることを探して動くのが基準になっていたようです。作戦成功ですね。
Aちゃんはポーカーフェイスに見えるけれど、実はガチガチに緊張していました。
前の職場みたいにたくさんな怒られるかもしれない。次はない。間違えちゃいけない。そういった強迫観念に駆られて怯えるのが先に立っていたと、数週間後話してくれました。
何をしても怒られて、患者さんからやつ当られ、お前の態度がなってないとスタッフにも怒られることが増え、怖くなって前の職場を辞めてしまったとのことでした。いわゆるトラウマですね。
スタッフだって人の子。感情の波にいつも揉まれていたら、一人で立ってるのは困難です。普通の出来事でも、彼女にとってはとんでもないイベントのように、いつも事件だったんですね。
そんな事件ばかりでは、気力も体力ももちません。私だって無理です。
その片鱗に気づき、私は彼女に対する姿勢を、褒め、協力を求めるように変更しました。
褒められ、自分がやっていることに対して認めてもらうことで、安心できる場所だと認識した。
安心できる場所から協力を求められることで、結果、頑張ろうと思った。
まさに「安全の欲求」が彼女の中で満たされたからこその流れだったわけです。
直接、技術や方法を指導するよりも、場所の提供をすることで相手が勝手に学んでくれたケースですね。
最初はお仕事ができなくて、どうしたもんかと悩んでいましたが、すっかり先回りしてお仕事を吸収していくAちゃん。めでたしめでたし!
と思いきや、このケースには続きがあります。
ある日、派遣さんが来ました。
その子は5年近く病棟で働いていたけれど、先回りして動けず、知識も足りず、スキルも中途半端。
Aちゃんよりも数年先輩だけど、どうにもAちゃんを彷彿する様な派遣さん。
さて、お仕事が楽しくなってきたAちゃん、どうするのか?
次回の記事に続きます。