養生

めんどくさがり養生:免疫アップでバトル体制強化のしいたけと大根スープ

二十四節気 冬至
第六十四候 乃東生(なつかれくさしょうず)

 

夏枯草が芽をだす頃。夏至の「乃東枯」に対応し、うつぼ草を表します。うちのベランダではホーリーバシルが少し枯れ始めたかな。ちょっと寂しい時期ですね。

しかし、日がもっとも短い日なので、ここから先は日が長くなる合図でもあります。上がっていくのをイメージすると悪い日でもありません。

 

そんな冬至には体調を守れる状況をつくっていきたいということもありまして、はやりの菌活に着目。

昨今乳酸菌とか、発酵食品が話題になりますけど、きのことそれらの徹底的な違いがあって、きのこは菌の働きの作用の結果できた食物と、「菌自体を食べる」っていう、要は「菌食」なんです。そう考えるとびっくりでしょ。

今回取り上げるしいたけは、きのこなんで「菌」でできています。根っこのようなものがシイタケ菌糸。そこが栄養をため込み、生長がピークを迎えたとき、ある刺激によってしいたけができたのは、前述のとおりです。

そのシイタケ菌糸には、β-グルカン(ベータグルカン)のほか、αグルカン(アルファグルカン)、シリンガ酸、バニリン酸、アラビノキシラン、リグニンなどの複数の有用な栄養成分が知られています。

菌は生きているので、私たちは自分の身体とは異なる生物を身体に入れることです。
たとえば風邪の菌、昨今のコロナウィルスのように侵入すれば、免疫が発動して、その菌と戦います。

 

 もちろん食事として菌を摂取しても、菌の種類によっては、

身体が反応し、低下した免疫力が回復するトリガー的な役割をするのです。

 

それが、人間にとって、いい反応なのか、辛い症状ばっかり出るものなのかという差があるだけなんですね。

がんを守っている細胞のひとつに「免疫抑制細胞」があるんですけど、この細胞が人間の持つ免疫力を無力化してしまうので、結果がんに負けやすくなる。
シイタケ菌糸体のエキスを使うと、この免疫抑制細胞をセーブし、免疫の数値が上がったまま維持されることに注目した研究が一時期医療で話題になりました。

 

似類補類という、似たものを摂れば補うという発想が中医学にあります。予防接種は同じ菌を摂種します。わからないコロナに対して、ウイルスじゃないけど菌を摂るのもいいかなと選んでみました。

ただ気をつけてほしいのは、生しいたけや加熱不完全なしいたけを食べてから数時間から数日後に、全身のかゆみが出て、掻いた後に線状の紅斑が出てくるので、生焼けには注意です。

 

これをしいたけ皮膚炎と呼びます。私自身、皮膚科で働いたことがありますが、その時に食事に興味を持ったきっかけでもある病名ですね。

やはり菌食にはリスクもあるので、しっかり知ってやることが大事ですね。
BBQの時に患者さんが増えることが多いですし、普段の調理にも気をつけてほしいところです。

 

そんなしいたけと、風邪やウィルス対策といえば冬の名物、肺を労わる 大根です。

免疫上げて、バトル体制十分なスープを今回は作っていきます。

 

 

 しいたけ
五味:甘
五性:平
帰経:脾、肝
気血水:気虚

元気をつけ 、 栄養不足やエネルギー不足で弱った体を補強。
免疫力をアップする食物繊維やビタミンDなど が豊富。血圧、高脂血症などにも。

 

大根
五味:甘、辛
五性:涼
帰経:脾、
気血水:気滞、水滞

余分な水分を出して、熱を下げてくれるので、お腹のはり、便通や胃もたれに向いてます。 喉の不快感、咳、黄色痰い 、国内炎、風邪、インフルエンザの予防 、喉の渇きにも。

 

 

 

 

今回は白だしと塩で味をつけて煮込んでしまいました。豆乳やお湯で割って温製スープ、豆腐にかけてみてもよし。すりショウガが入れてもアクセントにおいしいです。

私が作るときは、しいたけは一パックに入っていた6個、ダイコンは1/3本(葉や茎含む)で玉ねぎ一つ。やわらかくなるまで煮て、砕くだけ。あとはタッパーで保存です。塩や胡椒は、割り方に合わせて調整してください。