自分が決めるんじゃないという前提②
医療関係者・患者さん、どっちのたちばであれ、
はじめにこの人はどういう目的で来院して、
どんなことを必要としていて、どんなことを今後望んでいるんだろうか?
ここがわかっていないと、どんなにいいことをしてもあとでフォローが効かなくなります。
一般社会でも、一緒だと思うんですけど。
では、どこの段階で必要だと思いますか?
前回はここまで、問題提起でした。(前記事はこちら)
どこの段階で必要かと問われたら、どう転ぼうと、
はじめからです。そして、随時です。
はじめだけおさえても、あとからフォローしなければ常に問題は浮上します。はじめがフォローできてないと、あとからフォローしたって遅いです。だから、随時。
はじめ に関しては、いままでの記事で問診が大事で、常に観察し、俯瞰の姿勢を保つことはとても役に立つということを話しました。それを使えばまずはじめはなんとかなりそうですね。
誰の主訴なのかを考え、優先順位ややるべき方向性を定める。
随時 に関して。我々医療者も常に時間に追われています。ときにもういいや、ここらへんでいいやと、悪い誘惑がある時もあると思います。
たいてい、その魔がさす時は、あとで大きく揉めることに発展するケースの予兆と思ってもらった方がいいというのが通説です。いつものパターンなら、大概の場合、そういう選択肢は参考にはなっても、その人に当てはまるかどうかは分からない。そう思っていると、回避することが可能だと思います。随時というのは結構厄介です。
では、ケースで考えていきましょう。
ここまでで、患者さんに起きているかもしれないリスクが頭の中で思いつきました。
絞っていくために質問をして探ろうと思います。
高血圧の数値から始まった問診でしたが、自覚はない。様々な可能性があって、すべてをつぶしていくのは骨が折れます。しかし、中年男性であることから会社での健診を受けている可能性があり、そこから昨今の病気傾向を数値などからざっと確認しました。
そして、血圧についてはすぐに異変が起きたわけではないので、急性のものは否定されます。徐々にということは、身体へ年々負担が増えています。食事はコントロールされている。情報内には睡眠中の負担を聞くことで、年々という言葉のところに関連性がないかを探ります。
睡眠時無呼吸症候群であれば、呼吸が止まる止まることによって、身体への栄養となる酸素の供給が追い付かなくなる。それによって、心臓は血流量を確保するために早く鼓動を打つことで確保するように努力をします。それを放っておくと徐々に心臓に負担がかかって、日中でも高血圧になることがあります。高血圧は、身体が無理をしているサインなんですね。
ここまで流れが見えてきました。
次回は、方向性に対してどうしていくかを考えてみましょう。