怒っているときに敬語は崩さない➁
具体的Questionと問題点を分析したAnswerを前記事で提示しました。
(前回記事はこちら)
いろんな見方があるので、これが正解ひとつというわけではありません。
ですが、どうですか?エリクソンの発達課題で言っていた通り、最初に転ぶと、坂道を転げ落ちるかのように下っていきます。
問題がありすぎて、とても対応できそうにないですが、ヒントはあります。
いろいろ転がり落ちているのであれば、
つまづいたところだけ確実に拾いにいけばいいんです。
あとはいりません。
というか、短時間で処理はできないので省きます。どのケースでもいつもここから始めればいいです。
私が話した返答のポイントで通訳すると、
- 仕事を頑張ったのはみとめました。(彼女の社会の中で、成功したであろうことは配慮しました。)
- 我々の社会で失敗したこと、周りを残念な気持ちにさせてしまったということ、自分が今いる待合室という社会をみせつけました。
- 今日のことは流すとも伝えました。失敗から成功する方法も教えました。
- また失敗したときの社会の目も繰り返すことで教えました。
自律性とは獲得しないと恥、疑惑になります。
恥、疑惑を今回繰り返したので、自律性を次回は手に入れてくれとレールを敷きました。
その後、彼女は黙って受付に戻り、別の日の装具の予約を取り直しました。
そして予約当日、15分前に来院し、時間内に型取りをすることができました。
その日、ちょうど彼女を見かけたので装具の型取りから終えた彼女に声を掛けました。
「無事、お仕事終えて、型取りも終えられたんですね。おつかれさまでした。出来上がりが楽しみですね。」
「そうよ。言われたから、仕事早く終わらせるようにお願いして来たんだから、良いのじゃないと困るわよ。きちんとできるのかしら」
まだまだツンツンしてますが、恥、疑惑の癖がなかなか抜けないんですね。
そう簡単に素直になってくれるなら、そもそも怒りません。
こちらとしては、腹立てる暇が惜しいですので取り合うべきではないですね。
ここで「スルー」力を発揮します。取り合っても解決しないので、取り合わない。
「良いものがきますよ、少しでも楽になることを期待してますね。」
これでお話は終わりです。相手もそれ以上求めていないですしね。
さて、私の発言を見直してみると、一切敬語を崩していません。
今回、相手がため口でも、煽ってきても、絶対敬語は崩しちゃいけないのです。
相手の発達段階は幼児期から獲得できていない。その一方で、今回の問題は相手に対してではありません。社会のルールに従えないという問題、大人が行う問題です。
おとなの対応をしないと成り立たないのが社会ですと教えたい。大人の世界になじんでないのはどちらでしょうかと、スタンスを使ってすでに壁を作っていました。
自分の世界だけのわがままは、取り合ってくれない社会であるという前提です。
感情の起伏はあろうとも、自分を律して維持できるのが、発達段階を超えてきている大人です。凛としてみせていることが相手にとって、社会からのプレッシャーになります。
単純に私も仕事上、あまり時間を割くことができないので、早く終わらせられるよう同時に詰め込んでるだけ、というのもありますけど。仕事時間に余裕がほしいですね…。
今回の話す言葉は回りくどいですけど、5分かかりませんでした。
また、次回予定に素直に切り替え、次回の予約時間でスムーズに進んだのですから、トータルで見れば些細な手間でしかありません。
終わった後に、うまくいきましたねと認めるフォローをする。次から予約はまた破ったりしない人に安定していってくれることだと思います。受付さんにも大きな負担をかけない人になっているといいなと願うばかりです。
今回は、最初から危機的な状態の対応を迫られ、めげそうでした。しかし、最後は危機的な状況の継続はなくまとまってくれました。まだまだ問題はあるでしょうけど、ある程度であれば「スルー」力だけで運行できるでしょう。
把握して最初にぱっと飛び込んでしまう。その差が後々の手間を減らすことにつながります。起きてる事象にとらわれ過ぎず、こじれてる元だけ見つめてみてください。きっとヒントが転がってます。