患者対応

怒っているときに敬語は崩さない

敬語とため口の記事の流れからの今回のタイトルです。

過去記事はこちら( 

 

 

「めんどくさい」「スルー」力を掲げるこのブログからかんがえ考えると、もうすでに相手が怒っているわけですから、すごい事態ですよね。スルー力なんか使おうもんなら火に油注ぎそう。
めんどくさいなんて考えたら、もう最初っからめんどくさい。いいことなんてなにもないです。

 

先のブログでも話した通り、こじれている状態で出会ってますから、ここがゼロ地点です。

 

 

これから始まることに対して進まないことが、後々ややこしくならないために検討していくことを考えます。

怒っている内容にもよりますけど、末恐ろしいゼロ地点です。もはやめげそうで、そうそう出会いたくない事態です。しかし、自分に怒っていなくとも医療ではそう珍しくないほど出会う事態でもあります。

 

さ、気を取り直して考えてみましょう。

 

先のブログでは、ツールを使いました。こんな劇的な事態の時に分析なんか出来ないよと思われるでしょうが、話を聞いている間におおよその方向づけをします。案外とやれますから、いきなり問題からどうぞ。

 

Question

受付で患者さんが怒鳴っています。なかなかの勢いで怒っているご年配の女性。5分以上受付さんの説得するも引き下がらず、受付さんが相談にきました。


自分は仕事が忙しいから、客が残っていれば残業してくるし、身体が不自由なのでカート押し、休みながら来院すると主張。予約をしても守れるわけがない。そこを配慮できない病院の問題だ。予約時間を45分以上過ぎているが、今日がいい。装具の型取りをしろと言って聞かないと。


装具士さんは、決まった曜日の決まった時間にギチギチに予約をとっています。数週間待ちの患者さんも沢山います。すでに最終枠を彼女に配慮してとっていましたが、彼女の持ち時間精一杯待ち、次の現場がある為にキャンセルとして帰ってしまいました。彼女は納得していません。
彼女の問題点はどこにあって、どう対応しましょう?

 

 

 

Answer

問題点:

 

マズローの欲求(詳細はこちら)でいえば、3層(所属と愛の欲求)、4層(承認・尊厳欲求)の低次欲求(他者からの尊敬や評価を欲するもの。他者からの尊敬、名声、注目などを得ること)。

エリクソンの課題(詳細はこちら)でいえば、幼児期前半の自律性(vs恥、疑惑)を獲得できず、幼児期後半の積極性(vs罪悪感)にトライしてみたものの転け、児童期の勤勉性(vs劣等感)を履き違えてしまった。

 

具体的にすると、

 

マズローの欲求:

・自分の仕事の社会のみが正しく配慮を受けるべきであって、他者の集団の都合はお構いなし。社会の団体に入りたいけど、適応できていません(3層)
・働いて残業することが美化されて、自分は称賛されるべきだと周りが見えていません(4層低次)

 

エリクソンの発達課題:

・失敗したらどうしようかという不安から行動に変えていく自律性が見られません。
・目的を自己で獲得し、遂行できるのが積極性ですが、目的の装具を周りの迷惑が考えられず、予約をしているにも関わらず、時間にこれない罪悪感がありません。
・自分が劣っているから諦めようとするのではなく、努力することで有能性ですが、話をすり替えているので勤勉性があるように見せかけています。

 

いろんな見方があるので、これが正解ひとつというわけではありません。
ですが、どうですか?エリクソンの発達課題で言っていた通り、最初に転ぶと、坂道を転げ落ちるかのように下っていきます。

 

問題がありすぎて、とても対応できそうにないですね。
しかし、ヒントはあります。

 

これだけいろいろ転がり落ちているのであれば、つまづいたところから拾いにいけばいいんです。
あとはいりません。というか、短時間で処理はできないので省きます。

 

次回は、私の対処した内容をお話しします。