養生

めんどくさがり養生:不安な夢と冬と風邪を引く前に、春菊とネギ、長芋のスープ

二十四節気 小雪
第五十八候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)

 

陽の光も弱まり、虹を見かけなくなる頃。「蔵」には潜むという意味があり、

4月中旬過ぎの清明の末侯「虹始見 (にじはじめてあらわる)」と対です。

季節の幅は念を通してみると、おおよそ残り1/3で清明にたどり着きます。そう考えると、清明から2/3の季節をもう越えてきたのかなと不思議な心地になりますね。

 

通常、虹は空気中の水分の束に、太陽の光があたると反射して見える七色の現象ですね。
陽の季節を越えて、陽の光が弱まり、空気が乾燥します。

今は陰の季節ですね、虹が現われる条件が揃いにくくなります。

 

おやおや?っと意味がはてなになった人もいますかね?

 

 物事は「陰陽」に分けられることがあります。

 

 

 

もう少し言えば、お日様が昇る日中があるならば、

沈んで現れる月が輝く暗闇の世界があるのです。

物事には、明るいものがあって、暗いものがある。

それは、いい悪いではないです。そういう時間なんです。どちらかだけではない。

 

例えば、起きているときは身体が温かく保って、活動をしやすくしている
寝るときに身体が火照っていると寝れませんよね?身体を冷やすが必要なわけです。

 

陽が足りなければ、起きているのは辛いとおもうのが
隂が足りなければ、眠るために身体を冷やせないんですね、陰虚

 

 

 

もちろん、ほかの症状に出る人もたくさんいます。陽があれば、隂もあるのだから、どちらかで分けていくことは限りなくあるからね。

背中にお日様を浴びるから、背中は陽。

浴びないで守るものだからおなかは隂とかね。もう限りなくあります。

 

いままで五臓、気血水の話をしましたが、こういう陰陽の見方もあるわけです。
西洋医学では立証できない判断や見方ですね。

 

あちらは、切ったり縫ったりの外科系は得意なんですけど、エビデンスが追い付いてこないと対症療法でしかないことも多いんですね。
中医学は概念思想というイメージがあります。未病に強いというよりは、受け止める懐の深さを育てる医学でもあると思うんですね。

 

 権利ではなく、知ろうとする欲に対する杖。

 

 

 

だから、外科を知り、人を知り、概念思想を知るというのは、時代が変わってもエビデンスを活用するサイドに立ち続けることでもあると思うんです。

エビデンス優先だと、ついつい傲りが勝ったり、時代が変わった時に説明がつかなくなる。その時代のエビデンスは、その時代には絶対的な感じに見えがちです。

過去にたくさんあるんですよ。こんな危険薬!なんの効果もない薬!使えない!とダメ出しの烙印押されて、その後の研究者の諦めない努力で、違う分野の特効薬になったケースなんでいくらでもあります。

 

しかし、その時にダメだダメだと患者さんにすり込んだら、

それが特効薬になった時になんて説明をして、大丈夫だといえますか?

って話なんです。

 

その時は保険認可されてなければ使っちゃダメです。でも、大丈夫になった時に導入できる余地を残しておかなければ、余計な仕事を自分で作るんです。めんどくさいですよね。

だから、物事には順番があって、変化の可能性があって、概念があって、思想があるってことは前提として知っていると役立つ。

 

俯瞰で見ることを教えてくれるのは、ルールや枠組みを使ってみる。

そして、学ぶ姿勢を構築するというトライですね。

そこのところ、陰陽はとても便利です。

 

 

 

これから冬という隂の季節が始まり、何を養生していくかはこの間もお伝えした通り、

耗をしない。いたわることです。

昨今のコロナの急増に不安になったり、イライラしたりすることも多いと思います。

ほんのり苦辛い 春菊 で少し気の巡りをよくしてやわらげ、

寒気かな?風邪かな?コロナかな?って不安に思いすぎる前に ネギ で落ち着かせ、

補う 山芋 で底上げをお手伝いできると嬉しいかな。

 

春菊
五味:甘、辛
五性:平
帰経:肝・心・脾
気血水:気滞
実は菊の一種。春に花を咲かせることから名前がついたそうです。
気の巡りをよくするので、夢ばかり見てしまう人、イライラしやすい人に向いてます。
胃腸を整え、口臭を防いだり、

むくみ、痰切りや咳を鎮めるよう水分調整に向いたり、貧血の人にも。
またβ-カロテン、ミネラルを豊富に含むので「食べる風邪薬」と言われてます。

 

 

 

長ネギ
五味:辛
五性:温
帰経:脾、肺
気血水:気滞、瘀血
気と血の巡りをよくします。
また寒気のある風邪には特に向いてます。
解毒もするので、下痢にも。

 

 

 

やまいも
五味:甘
五性:平
帰経:脾、肺、腎
気血水:気虚
補気の代表で、滋養強壮。生薬名:山薬 だるさや疲れやすさの改善。

糖尿病などの生活習慣病傾向の方、下痢や食欲不振、

咳など慢性の気の足りなさを補ってくれます。
※今回は長芋で代用してます。

 

 

 

 

 

 

 

豆乳で割って冷製スープ、和風だしで割って温製スープ、豆腐にかけてみてもよし。
白だしにお湯だと苦辛さが和らいで飲みやすいですね。

私が作るときは、春菊一袋、山芋1パック、長ネギ一本。やわらかくなるまで煮て、砕くだけ。あとはタッパーで保存です。塩や胡椒は、割り方に合わせて調整してください。