養生

めんどくさがり養生:喉の不調にれんこんとしょうがのスープ

第五十七候 金盞香(きんせんかさく)

 

 

水仙が咲きはじめる頃ですね。水仙の黄色い金の盃を冠と見ているんですね。
水仙も最近は色んな種類があって、一見違うような花びらがびらびらした子もいます。

水仙の伝説は実に色々あって、面白いんですね。

 

ギリシア神話のナルキッソスの話 は有名

 

若くて有名な彼が、愛と美の女神アプロディーテーの贈り物を侮辱したところ、怒りをかってしまいました。

まず初めに 彼を愛する者は誰も彼を所有できなくしてしまいます。
そこで森の妖精エーコーが他の神に怒りをかって、他人の言葉しか繰り返せなくなってたけれど、エーコーはナルキッソスが好きになりました。繰り返すしかできないので、退屈だと見捨てられます。悲しくなって姿をなくし、木霊になりました。
それをみた無礼を罰する神ネメシスに、ナルキッソスは自分しか愛せなくしてしまいます。

そんなナルキッソスを山の泉に呼び寄せたネメシス。

水面に映る自分をみて、ナルキッソスは一目惚れしてしまいます。そこから離れられなくなったという説と、くちずけしようとしたら落ちて溺れたという説があります。
ナルキッソスが死んだ後には水仙の花が咲いていたんですね。それで、欧米ではナルシスと水仙のことを呼びます。それがナルシシズムの原点でもあります。

 

 

 中国では、中国の古典に由来して仙人は3つに分類されていた 

 

天にあるを天仙。
地にあるを地仙。
水にあるを水仙。

水辺に生息。仙人のように寿命が長い。清らかなという意味から名付けられたとされています。

 

日本でも伝説はありますけど、成分をみると 全草が有毒 で、鱗茎に特に毒成分が多い。食中毒、接触性皮膚炎を起こす。中毒は初期に強い吐気がでます。そこをうまく利用して、制吐剤やアメーバ赤痢の薬として使ったりもしますが、それは薬になった時のお話。

簡単に言うと、美しいものには毒があるし、扱いは気をつけなきゃいけないってことですね。見るはよいよい、関わるのは怖い。

 

季節に合わせて水仙の話をたくさんしましたが、今回は花の下にできるレンコンのおはなしです。

民間療法で、れんこんと生姜をすって喉や気管支の不調時に使うことがあります。
レンコン寒性 があるので冷え過ぎないように、やっぱり私はポタージュかな。
生姜を足してあげると、冷え性の人にも使えるようになります。生姜の味をビビッドに効かせたければ、れんこんだけで作って、千切りやおろし生姜をトッピングのが美味しいかなぁ。

 

昨今言われている、生のショウガに多く含まれる辛み成分のジンゲロールは、

加熱すると一部がショウガオールに変化 します。
体を深部から温める。体温を調節する受容体を活性化してアドレナリンの分泌促進、体脂肪を燃えやすい状態(遊離脂肪酸)にし、脂肪を消費しやすくします。

 

生薬の生姜より乾姜のがいい と言われる理由が見つかったってだけですね。
ただの乾燥生姜よりじっくり湯通しor蒸して乾燥した生姜のが効くという意味です。

面白いですよね、後付けで根拠が明かされる漢方って。

 

 れんこん
五味:甘
五性:
帰経:心、脾、肺
気血水:血虚、瘀血
身体の熱を覚ますので、のぼせ、貧血、鼻血、不正出血に向きます。
また肺に効くので喉の渇き、咳、痰などにアプローチします。

 

 

 

 しょうが
五味:辛
五性:
帰経:心、脾、肺
気血水:気虚、瘀血、水滞
冷えからくる痛みや吐気を和らげます。
胃が温まることで胃腸の改善をしてくれます。新陳代謝を高めてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

豆乳で割って冷製スープ、和風だしで割って温製スープ、豆腐にかけてみてもよし。

しょうが多めなので、結構スパイシーになります。個人的には、白だしとごま油でお水で薄める程度が冬っぽくて好きです。

 

私が作るときは、れんこん半分、しょうが一袋、単位で玉ねぎ一つ。やわらかくなるまで煮て、砕くだけ。あとはタッパーで保存です。塩や胡椒は、割り方に合わせて調整してください。