看護学生に学ぶ

看護学生から学ぶ、脳内と図書館の作り方

看護学生というと一言ですが、医療という専門分野で働くので、実は膨大です。
学生のみなさんは、実習やら授業やらで実感していると思いますが、ざっくりとした範囲で

 

年齢は、赤ちゃんからご年配の方まで。
疾患と呼ばれるものは、全て。

 

尋常じゃない範囲です。それを学生の間、専門学生なら3年。大学なら4年で網羅するのは、ぶっちゃけた話、無理です。では、その短い時間で何を学べばいいんでしょうか?

 

図書館の作り方を学ぶべきです。

 

なにを言っているんだと思うかと思いますが、これは疾患かかった人、その疾患のご家族、友人、いろんな人にも、もし医療を知らなきゃいけない人すべてに言うことです。看護師になるならより一層、この図書館があるかどうかがその後の人生を分けると言っても過言ではありません。

 

では、図書館とは、どんなところでしょうか?

• 本がいっぱいある
• 絵本から小説、辞書、専門書、資料etc.形状から分野まで多岐にわたって本がある
• 管理してくれ、ヒントを並べてくれる司書さんがいる
• 本を探しに来る人がくる
• 勉強してる人が滞在する
• 時間をつぶす人がいる
• 本を取り寄せる
• 本を管理できる環境にしている
• 本を修復している
• 本をリスト化している

 

まあ、あげたらキリがないんですけど、ざっくりこんな感じですかね。場所によっては音声のものもあるし、おもちゃなんかもありますね。それは、そこのニーズによるし、予算などにもよりますね。

 

医療も一緒なんですよ。新しいもの、古いものも必要。いろんな年齢のニーズが必要。教えてくれる人もいれば、ヒントにならないかと五感も使うこともある。管理も必要なら、修復も必要。回り道や時間つぶしもあれば、最速をえらぶこともある。

 

医療は、先生が治すものだ!と思う医療者もいれば、患者さんもいるでしょう。
でも、実際は医者が治すのではありません。きっかけを与えるに過ぎません。

 

身体の不具合ならば切って縫ってならば、そこの調整を。
心の不具合ならば、話を聞きながらどうしたいか方向づけを。
両方抱えているならば、どちらが発端か、解決したいのか、維持したいのか、なにもしたくないのかと色々あります。

 

今あげたのにも、すべて患者さんご本人の希望がなければ、切ることもできないし、聞くこともできないし、なにもしたくないならそもそも出会うことも困難です。

だから、治すのは本人で、医療者はきっかけを与えられるか否かでしかありません。

 

ケースとして複雑に絡んでいる状態では、考えるのも迷います。

Ex)

高血圧があって、糖尿病、高脂血症、心臓関連の疾患。

食事、運動、薬、睡眠時間、気持ちの負担、家族環境…etc.

 

こんな風に複数あると、もはやどこから手をつけていいかわかりませんね。

ご本人もご家族も、薬頼りになるのは致し方ないかもしれません。数学の公式の羅列や見知らぬ四文字熟語を羅列されたのと変わらないくらい、ボリュームすごいですから。

 

かといって、シンプルにひとつの疾患だけでも、まだひとつだから大丈夫とか、任せておけばいいやと言って悪化したケースは後を断ちません。

 

複雑でもシンプルでも気が抜けません。そんな時にどうしたらいいかというと、

脳内の図書館を使う癖をつけてもらうことです。

 

ご存じの通り、本は詳しく書いています。

なにを当たり前なことをと思うかもしれませんが、良くも悪くも、詳しく書いています。

ある人の見解では、違うと書いてるかもしれないし、昔はそうだったかもしれない、他の方法もあるかもしれない。今に則しているのかという一方で、昔の方法でも素晴らしい方法はたくさんありますから、あえてアップデートしないものもたくさんあります。金儲けにアップデートしたかのように見せている方法もあるでしょう。

 

でも、本を読んだだけでは、そこは見極められません。経験が必要です。

 

つまり、そこに飛び込んで何件も症例を診ているからこそ、

  • スタンダードな症例だ。
  • これは一筋縄ではいかないぞ?
  • はじめて診る違和感がある…etc.

その分野の直感が必要になります。

 

また、他の分野からみたらそちらを優先するのか?と疑問に思うことも必要でしょう。複合している症例の場合、どの分野を優先するかは最も悩むことでもあると思います。

そういったリスクを抱えた時、どこを調べればいいか、誰に聞けばいいか、どの勘を頼りにしていいかというヒントさえあれば、深く探っていくことはできます。

 

それが図書館です。この棚のここら辺を探せば、知ることができる。

 

頭の中に図書館のある人と、ひとつだけ本を知ってる人とは全く違う景色があることでしょう。その本になるのか、案内する司書になるのか、類似の本を読む必要があるのか、その時に必要な役割は変わります。

 

それが勉強でもあり、知識の補充でもあり、拡大方法でもあります。

 

次回から具体的に例を上げてみましょう。