看護学生や働いて一番最初に躓くのは、親切と正義感の履き違え②
今回は、後々を考えなかったミスの詳細と正義感についてです。
前回までの出来事についてはこちら。
まずは、前回記載したQuestionを見直してみましょう。
グレーの文字のうち、太字にした部分と下線に注目してください。
【太字】
- 穏やかそうに
- 申し訳なさそうに
- 萎縮していても疲れてしまうので
【下線】
- 受付で処置室を希望するようになった
太字と下線の差はわかりますか?
対象患者に対する主観と客観の差です。
一見なんでもないことなんですが、
太字の主観はすべて処置する側のものです。対象患者が思ったことではありません。
下線は対象患者が行った客観的な出来事です。つまり、なんかしらを対象患者が思ったから、起きたことです。
ここの問題点は、処置する側の主観が親切心によって勝手に良かれと思って、
自分がその立場の場合はそう思うであろうという憶測に基づき、客観性を考慮しなかったところです。
客観性として必要だったのは、待合室で他の患者さんと共に待つことで、どういうリスクがあったのかということです。
Ex)
• 体調リスク:
顔色から血の気が引いて倒れそう、痛みでうずくまっているなど。
• トラブルリスク:
患者同士で揉めあってるなど。
• 他者への迷惑リスク:
車椅子を端に寄せても人が通れそうもないくらい塞いでしまっているなど。
上記のような場合、別の場所案内する客観的なリスクの回避という計画 として、妥当性が生まれます。
しかし、今回は処置する側の主観で、可哀想だとか親切心だとか、目標のない配慮 をしました。
つまり、特別扱いと思われても致し方ないですね。
なぜかはこの質問が患者さんからきたらなんて答えますか?
先に他の人が疑問に思うかどうか、社会一般として説明ができるかどうか、ここを見越して、自分の主観というものを持たなければ、自分の意見を挟むべきではありません。
親切心というのは、響きがよいのでプラスに捉えがちです。しかし、今回分析してみると、穏やかに主観で見えていた人は、勝手に部屋を開けたり、恫喝したりと危害を加えるリスクのある人になってしまいました。
こちらとしてもリスクですし、相手にとっても恥をかかされたとリスクのある病院になってしまった。
こちらの読み不足による、親切心という主観の暴走が引き起こした配慮不足のミスとなってしまいました。
経験不足以外の何者でも無いです。もちろんベテランがこんなことを引き起こしたら、いままで職業を主観でやってきたのかと疑いたくなります。
また似たところで、正義感という曲者もいますので、そちらはまた次回。